開発ストーリー03コンセプト設計篇

大川精螺工業株式会社 取締役 大川 直樹
株式会社セイタロウデザイン 代表取締役 山崎 晴太郎

大川精螺工業×デザイン会社によるプロジェクトチームの結成

山崎: 「昨年5月から一緒にプロジェクトをやらせて頂ていますが、 『アイデア×ものづくり』を主軸とした太陽光発電事業を展開するにあたって、 メンバーとして選んで頂いた決め手は何だったんでしょうか?」

大川: 「こういうプロジェクトって、誰とやるかがすごく重要だと思うんですね。 一緒に同じ方向を見て歩んでいきたいという想いが強くあったので、 チームとして、一体となって出来る方がいいな、と。」

山崎: 「そう言ってもらえると、僕たちも同じ想いなのでとても嬉しいです。」

大川: 「僕からも質問していいですか? トラストワンという商品は、ブランディングが非常に難しい商品だと思うんですが、 一緒にやろうと思って頂いたモチベーションは何だったんでしょうか?」

山崎: 「一言でいうと、“社会性”です。 会社が設立4年目を迎えて、仕事のフィールドも徐々に広がっていて、 今後は社会性のあるプロジェクトをやっていこうという時期だったんです。 何かをやろうと思っていた時に、トラストワンのお話を頂いたので、 何か運命的なものを感じました。それが一番大きいですね。」

大川: 「タイミングってありますよね。」

山崎: 「それで本当に幸せだったのは、社員みんながトラストワンに対して 同じ想いを持ってくれたことです。 だから、大川さんのメンバーも含めて、いいチームが作れたのかなと。」

大川: 「弊社も、トラストワンの発売は決して震災があったからということではないんですね。 元々ずっとものづくりをやってきているし、たまたまタイミングとして、 この震災と商品の発表の時期が重なったんですよ。 ただ、世の中的に言えば、やはり震災後は、 より社会性のある商品が求められるようになってきていますよね。 そういう意味では、チームとしても、やりがいを持って出来るのかなと思います。」

トラストワンのロゴデザインが決まるまで

山崎: 「それでは、改めてプロジェクトの今までのプロセスを振り返ってみたいんですが、 ロゴのデザイン案をいくつかご提案しましたよね? どのようなプロセスで、現在のロゴに決まったんでしょうか?」

大川: 「最終的には、ストーリーですね。 “まちの灯台”というコピーがあって、歴史的な大灯台をモチーフにしている。 営業時にも語れるストーリーが、あのロゴには込められていました。」

山崎: 「ありがとうございます。 あの時は、“まちの灯台”というコンセプトをまず思いつきました。 暗くて寂しくなってしまった街の中に、 一灯だけ明かりが灯っている灯台の安心感というイメージがあったんですね。 そのイメージは、試作初号機のプロポーションだったりとか、そういうところから浮かんだと思います。」

大川: 「東日本大震災では、弊社の水戸工場が実際に被災をしました。 停電が続いて周囲に全く光がなくて、その時に弊社の工場に設置したトラストワンだけが光っていた。 それがやはり社員や地域の方から“良かったね”と言われて、それに尽きると思いました。 正しいとか正しくないとかではなくて、よかったなと。 それは本当に灯台みたいな存在で、ご提案頂いた、真っ暗な中で道標として光ることの意味と とても近いと実感できました。」

山崎: 「このストーリーと体験が色々と拡散していけるといいですよね。 それから、僕としては、トラストワンという商品単体ではなく、 もう少し広義な、MILIGHT PROJECT(ミライトプロジェクト)という概念の下で このチームが動いていることも大きいと思います。 だからこそ、色々なことを自分たちが裁量権を持ってやれますよね。」

大川: 「そうですね。大企業は資本力もあるから、価格競争で言えば当然勝ってきます。 弊社みたいな会社がどこで戦っていくかを考えた時に、 やはり個人の力とか、アイデアを通すスピード感で勝負する必要があると思うんです。 今回のように、ものづくりだけではなく、 デザインやブランディングを踏まえたプロジェクトとして動かす際は、 どちらかというと、大企業的な動き方よりも、 こういう少人数でのチームワークの方が馴染むのかなと感じています。 小さいチームですけど、世の中に良い成果を残したいですね。」

(第4話へつづく)

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